スルッとKANSAIおでかけ情報誌 Asobon!web

町のお店をこよなく愛するみなさんにお気に入りの一軒を紹介してもらいました。

姫路城下町ギルド

12軒目

  • 兵庫県姫路市
  • 山陽電車

姫路の歴史が詰まった、
コワーキングスペース併設のブックカフェ

実家のある神戸から姫路へ移り住むきっかけとなった人物に、おもしろい人がいるよと紹介された。

そこは、カフェなのかバーなのか、自習室のようにも見える不思議な空間だった。姫路・播磨エリアにまつわる書籍がずらりと並び、それだけで興味津々。窓からは、姫路城の中ノ門跡だという石垣が見える。

IMG_5918.jpg

姫路・播磨エリアにまつわる貴重な書籍をはじめ、さまざまな歴史書やマンガも。ゆうに1,000冊以上、あるという。

オーナーは、カメラマンの芳賀一也さん。姫路・播磨の歴史にくわしい郷土史研究家としてさまざまな講座を開催する他、サムライ姿で姫路城やまちのガイドを務めるなど、テレビ出演も数多い。黒田官兵衛の名は知っていたものの、播磨を舞台に活躍した歴史上の人物にも地名にもなじみがなかった私にとって、ここで見聞きすることはすべてが新鮮だった。さらに、姫路城や城下町の古地図を惜しげもなく見せてもらえる上、演劇経験があるという芳賀さんの語りがおもしろいから、いつもあっという間に時がすぎていく。だから実は、ちょっと立ち寄る、ができなくて困っている。もちろん、いい意味で! なんだけど。

芳賀さんは人物を撮るフリーの広告カメラマンとして、東京で約10年、ロンドンやニューヨークでも活躍した後、故郷の姫路にもどって家業の写真館を継いだそうだ。「ハガフォトスタジオ」ビルの3階にあったオフィスを改装して、2015年にこの店をオープン。奇しくも私が姫路へ引っ越したのと同じ年なので、勝手な思い込みを許してもらえるなら...私の遊び場をつくってくださったことに、感謝してもしてもし足りない。

IMG_5899.jpg
IMG_5959.jpg

しっとり、美しい芳賀さんの作品。広告が華やかだった時代の本物の写真は、デザインに携わる姿勢を問うてくる。

ふだんはコーヒー党なのに、ここでは「おいしい紅茶を」とオーダーする。「今、私に一番飲ませたい紅茶を」とお願いすると、よそではなかなか飲めない紅茶に出会えるのだ。前回はたしかヌワラエリヤで、今回はラプサン・スーチョン(正山小種)。茶葉は某医薬品をいぶしたようなフレーバーなのに、淹れると一変。また飲みたいと思ったほどクセになる味わいだった。

IMG_5929.jpg
IMG_5953.jpg

稀少な正山小種(ラプサン・スーチョン)、「兵庫県下でこの茶葉を扱っているのは、たぶん2店舗だけ」らしい。
紅茶は400円〜

他にも、芳賀さん特製の激辛チキンカレー(単品900円)に鶏肉や梅干し、チーズなどをトッピングしてスープを注いだ、お茶漬けみたいな「粗食セット」(700円)に夢中になったり。数量限定なので、あるかどうかは神のみぞ知る...奥様お手製のパンやスイーツ(時価)もおいしい。

2018年11月、芳賀さんは姫路城の裏話までぎゅうぎゅうに詰めこんだ『誰も知らなかった姫路城(仮)』(集広舎)を出版予定。この記事を書くために訪れた日は、ちょうど原稿のチェックやら何やらで大わらわ。それでもデニムの着物でキメていたのは、さすがであった。

IMG_5878.jpg

姫路のまちや、姫路城の古地図がたくさん。いつも惜しみなく教えてくださる。毎回、いろんな発見が。

IMG_5901.jpg

店内には、ダーツコーナーも。イギリスで武者修行をしたという芳賀さんは、日本チャンピオンに輝いた達人である。

スルッとKANSAIエリアの便利でお得な乗車券

Data

姫路城下町ギルド

姫路城下町ギルド
交通
山陽電車 姫路駅下車 徒歩約7分
住所
兵庫県姫路市本町235 ハガフォトスタジオ3F
電話
079-280-1296
営業時間
10:00~19:00
定休日
水曜

著者プロフィール

二階堂薫(にかいどう・かおり)コピーライター

阪急百貨店で企画・宣伝を担当後、フリーランスに。考える、書く、聞く、対話する、伝える…を支える仕事。小学校や高校で授業をしたり、兵庫県立大学の非常勤講師や言葉の講座の講師、企業・団体の相談役(?)など。兵庫・西宮生まれの神戸育ち、2015年より姫路在住。静寂とコーヒーが好き。