スルッとKANSAIおでかけ情報誌 Asobon!web

町のお店をこよなく愛するみなさんにお気に入りの一軒を紹介してもらいました。

四辻の辻一

11軒目

  • 滋賀県大津市
  • 京阪電車

滋賀の旨酒と絶品のアテに酔いしれる店

タイトルに「滋賀の旨酒」と書いておきながら、滋賀の酒だけを置いているわけではない。日本全国(もちろん滋賀も)の旨い地酒を常時90種ほど用意してくれているのが「四辻の辻一」。
読み方は「よつつじのつじいち」...なかなかパンチが効いている。名付けたのは店主の辻一義さん。

前職は広告制作で、13年前に脱サラして店を始めた。「小さい会社やったから、撮影、デザイン、コピー何でもやったで」と言う辻さんのデザインしたタイポグラフィの看板がお店の目印。
そんなお店は、京阪三井寺駅から徒歩5分ほどにあり、界隈は三井寺や大津大神宮などの寺社がある古い町並。朽ちた日本家屋や洋館風の空き家が点在する店の周辺は、一種独特な色気を放っている。元は旅館だったという建物を改装した店は1階が店舗で、奥の蔵には種々の日本酒が出番を待っている。

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左から冨田酒造の「七本鎗」、上原酒造の「不老泉」、藤本醸造の「神開」、笑四季酒造の「笑四季 竹島榮三郎 玉栄」、岡村本家の「阿酒羅」。全て滋賀のお酒。

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現役でサッカーをやっていることもあってか交友関係も広い辻さん。滋賀の音楽家たちがお店に訪れることもしばしば。

ここで酒を飲むなら、自分の酒の好みをイメージしておくといい。「あの時飲んだあのお酒みたいなの」「甘酸っぱくてフルーティなやつ」。なんでもいいからヒントを出せば、辻さんがジャストな一杯を飲ませてくれるだろう。
かくいう私も、辻さんに勧められた酒から地酒にどハマりした人間の一人。あの酒がうまい、いやこの酒はどうだ...と気づけば200種類以上の地酒を飲み、しまいには利き酒師の資格まで取得してしまったから始末に負えない。

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メニューにないものでも、こんな感じのものを食べて飲みたいと好みを伝えれば、できる範囲で出してくれる

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店内はカウンターとテーブルが3つほど並ぶ。一人でも友人同士でもシチュエーションを選ばずにこられるのもいいところ。

閑話休題。滋賀、京都、大阪などの酒屋を巡って仕入れた地酒の中から辻さんが前回訪れた時に選んでくれたのは、忍の里で知られる甲賀市の酒。山廃仕込みの優しい酸味と甘味がすっと口に馴染む。
飲み口は優しく、ふっくら味が広がるいい酒だ。鼻から抜ける香りもいい。「嗚呼うまい」と思わず嘆息してしまう。

「この酒に合うアテをいくつか」と注文すれば、「全部合うけど、どれにする?」と差し出すメニューはどれも酒飲みのツボを抑えた絶品ばかり。お造りの軽く炙ったハモは塩とワサビで。敦賀の港から揚がったばかりのイシダイはモチモチの食感だ。塩味の効いたローストビーフは噛みしめるほどに染み出る肉のうま味が堪らない。一番人気のポテサラは、巷のポテサラとは一線を画す別次元の逸品だ。
酒が進まないわけがない。

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牛肉のたたき。人数に合わせて枚数も変えてくれるので、少なめなど注文時に頼むのがベスト。
この量でも1000円でお釣りがくる

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お刺身の盛り合わせ(手前)にポテトサラダ(奥)。撮影時は夏場のためハモも。旬のものが並ぶ。
ポテトサラダはキノコやバターの味が効いた味わい。予想を裏切る美味しさ。

「最近は単身赴任のお客さんがよく来るなぁ」と辻さん。うむ、実にうらやましい。家族の目もあるので控えているが、私だってほんとうは毎日通いたい。いっそ、近くに単身赴任してやろうかと思うぐらいだ。まあ実際は難しいので、週イチぐらいにしておこう。

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Data

四辻の辻一

四辻の辻一
交通
京阪電車
三井寺駅下車 徒歩約5分
びわ湖浜大津駅下車 徒歩約7分
住所
滋賀県大津市長等3丁目3−12
電話
077-522-8932
営業時間
17:30~24:00
定休日
日曜

著者プロフィール

妙加谷修久(みょうがや・のぶひさ)ライター/ディレクター

「関西・中四国じゃらん」「旅行情報サイト ぐるたび」等で広告制作ならびに記事執筆多数し旅ものが得意。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得。京都市在住