スルッとKANSAIおでかけ情報誌 Asobon!web

町のお店をこよなく愛するみなさんにお気に入りの一軒を紹介してもらいました。

パティスリー ショコラトリー エメラ

10軒目

  • 奈良県奈良市
  • 近鉄電車

奈良愛を感じるパティスリー

甘いものは大好きだし、ライターという仕事柄、取材でパティスリーを訪れることも多い。でも、こちらほど私をうっとりさせ、悩ませるお店は他にない。それが、奈良・富雄にある「パティスリー ショコラトリー エメラ」だ。

創業は1970年。初代が「エメラ洋菓子店」として始めたお店を、ベルギーで修行した息子さん・藤原尚樹シェフが受け継いでいる。2013年にリニューアルし、街のケーキ屋さんという佇まいから、白とグレーを基調にしたスタイリッシュな空間に変わったけれど、「私、お父さんが作っていた頃から、もう30年通っている」というお客さん(レジ待ちをしていたマダムが話しかけてくれた)がいて、地元に根付き、愛されているのを目の当たりにしてなんだか嬉しくなった。

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洗練された店内は、清潔感と高級感が漂う。ショーケースの中には、チョコレート、ケーキ。
そして、焼き菓子やコンフィチュールも充実。

藤原シェフのケーキは、どれも繊細で美しく、素材の組み合わせがおもしろい。私のお気に入りは、「ルミック」というピスタチオとアプリコットを組み合わせたドーム型のケーキ。鮮やかな黄緑色に白いマーガレットをあしらった、乙女心をキュンキュン刺激するような可憐なビジュアル。実は、藤原シェフの娘さんが思春期になったときのために、「お前のためにこんなの作ったんやで」と父の愛を実感させるために考えられたものなのだとか。「ルミック」のポップに、"シェフの思い入れのあるガトー"と書かれていたので、きっと修行時代のエピソードが飛び出すのかなと思っていたら、まさかの理由で思わず笑ってしまった。

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右からルミック(561円)、レモンクリームとマンゴーの組み合わせが夏にぴったりなタルトシトロン エ マングー(540円)、奈良県産の生姜を使ったアシュメット(561円)。

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最近はチョコレートにも力を入れ奈良のお茶をはじめさまざまな味が楽しめる。また、お茶は素材として使うだけでなく、お茶とスイーツのペアリングを楽しんでもらうため、煎茶とほうじ茶の販売も(658円)。

そんなちょっとお茶目なところもある藤原シェフが力を注いでいるのが、奈良県産の素材を活かして、自分にしかできない味を作り出すこと。イチゴなどのフルーツはもちろん、月ヶ瀬村のほうじ茶、幻のお茶と称されるやまとみどりの抹茶、富有柿や柿の葉などが、見事な技でケーキやチョコレートにアレンジされている。今では「お茶の芳醇な香り、すごいなぁ・・・」なんて甘いため息をつきながら、テイクアウトしたものを家で味わうのも楽しみのひとつだ。

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商品は、店頭分のみなので、記念日やお持たせの際は、ぜひご予約を。

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気さくな雰囲気でイケメンの藤原シェフ。2年前、スペインの製菓専門誌であり、国内でも業界を中心に信頼ある「so good..」に地元食材を活かしたスイーツを作る奈良のシェフとして取り上げられた。

私事だが、結婚して生まれ育った奈良を出て神戸に移り住んだ。でも、仕事をするのなら、地元の奈良の素敵なところを広めるようなことがしたいと考え、最近ではかき氷の有名店が奈良に集まる「ひむろしらゆき祭」や、明日香村の観光パンフレットの制作等のお手伝いをしている。だから、奈良の素材を使って奈良の魅力を広めようとしている藤原シェフに尊敬と同時に親近感も覚えている。仕事のジャンルは全然違うけれど、奈良愛で繋がった同志のように勝手に思っている藤原シェフが、次はどんな高い技術とアイデアで奈良の素材をおいしくしてくれるのか、興味津々。これから先も目が離せそうにない。

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Data

パティスリー ショコラトリー エメラHP

パティスリー ショコラトリー エメラ
交通
近鉄電車 富雄駅下車徒歩約3分
住所
奈良県奈良市富雄元町2-6-40
電話
0742-44-6006
営業時間
11:00~19:00
※ケーキがなくなり次第閉店
定休日
水曜

著者プロフィール

西村円香(にしむら・まどか)/ライター

奈良出身、神戸在住のライター。京阪神エルマガジン社「ミーツ」や「SAVVY」など雑誌でのグルメ取材や、女性にまつわるアイテムの広告制作なども手がける。出身地の奈良を盛り上げたいと「奈良かき氷ガイド」の制作や、かき氷のイベント「ひむろしらゆき祭」の実行委員、明日香村の観光ガイドの制作など奈良にまつわる仕事も多数。